その疲れ…「隠れ夏バテ」かも?  隠れ夏バテのチェックをしよう!

今週末は台風や熱低が日本に接近する予報ですね。天候も崩れやすいですが、体調も崩しやすい状態です。また、コロナ予防のためのマスク着用なども重なり、気づかないうちに疲れがどんどんたまって、体調を崩す原因になる「隠れ夏バテ」になっている可能性があります。そこで今回は、まず自分の状態を知るところから始めてみましょう!

「隠れ夏バテ」チェックテスト

□目覚めて4時間ほどすると眠気が…zzz

□電車の中ですぐ寝落ちしてしまう…zzz

□何をしていても集中できない

□夜中に何度も目が覚める

□寝汗をよくかく

□いびきをかく(家族に指摘される)

 

⬇️⬇️判定⬇️⬇️

隠れ夏バテ診断結果!こんな人は要注意!チェックの合計数はいくつでしたか?

 

0 の人は青信号。

今のところ隠れ夏バテではないので、今の調子をキープしましょう。

 

1~2つ の人は黄信号。

隠れ夏バテになりかけているので油断禁物です。

 

3つ以上 の人は赤信号。

重度の隠れ夏バテと思われるので要注意です!

 

これらのチェック項目は全て「自律神経」に関係しています。隠れ夏バテには、自律神経の疲れが大きく関与しているのです。

夏バテの正体は“夏特有の自律神経失調症”だった!

夏バテの大きな原因は、「暑さ」「寒暖差」「紫外線」の3つです。

いずれも自律神経に大きな負担をかける要因になります。自律神経が疲れると、睡眠の質が下がって「睡眠負債」も増えます。だから日中に強い眠気を感じたり、集中力が低下したりするのです。

厳しい残暑が続けば、自律神経がなかなか回復せず、夏特有の「自律神経失調症」=夏バテになってしまいます。

自律神経は体温調節をはじめ、身体の生命活動に欠かせません。「たかが夏バテ」と甘く見ていると、自律神経の疲労によって体調がガクンと崩れてしまう危険性があります。

(グラフは東京疲労・睡眠クリニックの資料を引用)

自律神経機能は10代をピークに加齢と共に低下します。そのため、特に10代以上の人は生活習慣に気をつけないと、自律神経の衰えによる「隠れ夏バテ」になりやすいことが分かります。

それでは、隠れ夏バテの原因について説明します。

〈隠れ夏バテ原因1〉

残暑や熱帯夜の「暑さ」で自律神経がグッタリ

気候の穏やかな春秋に1km散歩するのと、真夏の炎天下で1km散歩するのとでは、疲れ方が全然違いますよね。私たちは暑いと発汗して体の熱を放出しますが、これをコントロールしているのが自律神経です。残暑日が続いたり、熱帯夜が続いたりすると、自律神経が昼夜フル稼働することになり、疲れがどんどんたまってしまいます。

〈隠れ夏バテ原因2〉

室内と室外、下半身と上半身の「温度差」が自律神経を酷使

夏は屋外のうだるような気温と、冷房の効いた室内の温度差が激しいので、体温調節のために自律神経が疲れます。また、同じ室内でも冷たい空気が下にたまるので、下半身と上半身にも温度差が出ます。頭寒足熱ならよいのですが、逆に下半身が冷え、上半身はのぼせたような状態になるので、自律神経はその調整のために、さらに疲弊してしまいます。

(画像はお借りしました)

〈隠れ夏バテ原因3〉

夏の強烈な「紫外線」が自律神経を疲れさせる

夏は紫外線量が最も多くなる時季ですが、強い紫外線を浴びると目の中で炎症反応が起き、身体は一種の戦闘態勢になります。すると交感神経が刺激され、自律神経の疲労につながります。紫外線が強い夏は日陰や室内にいても紫外線の影響を受けるので、自律神経の疲れがますます蓄積されてしまうのです。

熱いシャワーやうなぎもNG⁉ 間違いだらけの夏バテ対策

隠れ夏バテから脱するためには、自律神経をいかに回復させるかがポイントになります。しかし、「夏バテによかれ」と思ってしたことが、かえって自律神経に負担をかけて逆効果になることがあるので気をつけましょう!

<誤った夏バテ対策1>

熱いお風呂やシャワーはかえって疲れる
熱い湯に浸かったり、熱いシャワーを浴びたりすると、シャキッとして疲れが軽くなると思われがちですが、逆です。寝る前に熱いお風呂やシャワーで汗をかくと、自律神経が疲れて快眠を得にくくなり、かえって疲れがたまる原因になります。

<誤った夏バテ対策2>

大量に発汗する運動は疲労を助長する
ヨガやストレッチなどの軽い運動は、血流をよくするので自律神経をリラックスさせるのに役立ちます。しかし、たっぷり汗をかくホットヨガや激しい運動は、自律神経が疲れる要因になります。

汗で疲労をデトックスしているように感じますが、汗から出る体の老廃物はわずか0.2%程度です。大量発汗すると爽快感があるのは、脳内にエンドルフィンなどの快感物質が分泌されているからであって、決して疲労が軽減しているわけではありません。

<誤った夏バテ対策3>

スタミナ食のうなぎや焼き肉は胃腸に負担がかかる
疲れやすい夏は、うなぎや焼き肉を食べてスタミナを養おうという人がよくいます。いずれも栄養豊富ですが、脂の乗った「うなぎ」や「焼き肉」は胃腸に負担がかかるので、余計に疲れます。疲れをためないためには、消化のよいものを食べるほうが得策です。

疲れた自律神経を回復する7つの隠れ夏バテ対策

暑さや温度差、紫外線で疲れがちな自律神経をいかに回復させるかが、脱・隠れ夏バテの決め手になります。

《対策1》ぬるめのお風呂で快眠モードに

疲労回復に不可欠な質のよい眠りを得るためには、38~41℃ほどのぬるめのお湯に15分くらい入るようにしましょう。熱い湯は自律神経を疲れさせますが、ぬるめのお湯は疲れをためることもなく、体の深部体温を上げることで血流がよくなり、眠りにつく頃には深部体温が下がって質のよい眠りを得やすくなります。

 

《対策2》「横向き寝」で、いびきを抑える

自律神経が疲れると、いびきをかきやすくなり、眠りの質が悪くなります。いびきをかくと、気道が細くなって酸素が不足し、血圧や心拍が上がって、眠っているのに運動時のように疲れがたまってしまうのです。これを避けるには「横向き寝」がおすすめです。

仰向きに寝ると舌が気道をふさぎやすく、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になるからです。大阪市立大学医学研究科疲労医学教室の研究では、仰向き寝を横向き寝にすることで8割以上の人のいびきが半減したそうです。

身体の負担を軽減する理想的な横向きの寝姿勢は、応急処置の際にとるリカバリーポジションが近いです。この寝姿勢を楽に取るためには、頭があまり沈み込まない肩幅分の高さがある枕と、横向き姿勢を安定させる抱き枕を使うのがおすすめです。

 

《対策3》就寝中もエアコンで快適温度をキープ

暑くて寝汗をかくと、寝ている間も自律神経を酷使し続けることになり、眠りの質が下がって寝ている間も疲れがたまります。

快眠のためには就寝中もエアコンを切らず、快適な室温や湿度をキープしましょう。冷え症の人は、エアコンの風が直接当たらない所で寝るようにしましょう。

 

《対策4》朝日と朝食で自律神経を穏やかにスイッチ

人は24時間周期の体内時計「サーカディアン・リズム(概日リズム)」の中で生きています。日中に活動的になったり、夜に休息モードになったりする体内時計を司るのも自律神経です。

朝の光を浴びることで自律神経を徐々に目覚めさせ、朝食を摂ることで自律神経を穏やかに活動モードにスイッチさせていきましょう。体内時計が正常になると、睡眠の質が上がって自律神経が回復し、夏バテ予防に役立ちます。

 

《対策5》外出時は紫外線をブロック

紫外線が目から入ると自律神経が疲れます。屋外ではUVカット仕様のサングラスや日よけ帽、日傘などを使いましょう。

マラソン選手がサングラスを着けて走っているのは、紫外線をカットして疲労を蓄積させない目的もあるのです。また、紫外線による日焼けも疲労につながるので、日焼け止めクリームなどでガードしましょう。

 

《対策6》鶏胸肉や鮭を食べて抗疲労成分を毎日摂取

疲労回復のためには、自律神経の疲労を抑え、活性酸素を除去する抗疲労成分の「イミダペプチド」が多く含まれる食品を摂りましょう。

イミダペプチドはマグロやカツオなど回遊魚の尾ひれや渡り鳥の羽を動かす筋肉など、最も酷使される部位に多く含まれています。

鶏の胸肉や鮭 を毎日100g食べれば、1日に必要なイミダペプチド約200mgを摂取できます。熱したり小分けにしたりして食べても、サプリメントなどで補給しても構いません。大切なのは毎日200mg摂ることです。

 

《対策7》デスクワーク中もこまめに歩いて血流アップ

デスクワークなどでずっと同じ姿勢でいると、下半身の血流が滞って疲労物質がたまりやすくなります。これを防ぐには、こまめに水分を摂って動くことが大切です。

トイレを往復する程度の動きでよいので、1時間に最低1回(5分程度)は意識して歩くようにしましょう。

自律神経の疲れを回復させる生活習慣を心がけるだけで、隠れ夏バテは防げます。

質のよい睡眠や、抗疲労成分を積極的にとりながら、毎日を楽しく過ごしましょう。

疲れ過ぎて、何も手につかないという方は、鍼灸治療もオススメです。

自分の体をいたわって下さいね!

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